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解雇のはなし

会社は、労働者を簡単に解雇できません。

労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされる」とあるためです。

解雇の種類は3つに分類されます。

1つ目は「普通解雇」で、2つ目は「整理解雇」で、3つ目は「懲戒解雇」です。

普通解雇とは、労働契約を継続しがたいやむを得ない事由があるときに認められる契約解除のことです。

整理解雇とは、企業の経営の合理化によって生じる余剰人員を整理する方法として、使用者が労働者に対して行う労働契約解消の意思表示のことです。

懲戒解雇とは、労働者に非違行為があるときに、懲戒処分の1つとして使用者が労働契約を終了させることです。

それぞれの事案で、対応が違いますので、専門家に相談されるのが得策です。

 

普通解雇の典型的な争点

普通解雇は、労働契約の解約の申し入れです。

民法上、期限の定めのない雇用契約については、「いつでも解約の申入れをすることができる」(民法627条1項)とされています。

しかしながら、判例が積み重なった結果、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法16条)と定められています。

典型的な争点としては、①その人物が労働者か否か、②その解雇が普通解雇か懲戒解雇か、③その解雇の不当労働行為性、④使用者の主張する就業規則上の解雇事由の存否、解雇権濫用の成否、⑤解雇期間中の賃金額、の5つです。

早期に確認すべき書類は、雇用契約書、解雇通知書、解雇理由書、就業規則や賃金規定、給与明細書等です。

 

解雇権濫用の有無

解雇権濫用の有無は、次の具体的事情をチェックします。

1)勤務成績、勤務態度等が不良で職務を行う能力や適格性を欠いている場合か

①当該企業の種類、規模、職務内容

②労働者の採用理由(職務に要求される能力、勤務態度がどの程度か)

③勤務成績、勤務態度の不良の程度(企業の業務遂行に支障を生じ、解雇しなければならないほどに高いかどうか)、その回数(1回の過誤か、繰り返すものか)

④改善の余地があるか

⑤会社の指導があったか(注意・警告をしたり、反省の機会を与えたか)

⑥他の労働者との取り扱いに不均衡はないか

 

2)規律違反行為

①規律違反行為の態様(業務命令違反、職務専念義務違反、信用保持義務違反等)

②その程度、回数

③改善の余地の有無

整理解雇の解雇回避努力

整理解雇での争点は、一般に、①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続きの相当性、の4つです。

②解雇回避努力のポイントは、「解雇回避のために真摯かつ合理的な努力」をしたと認められるか否かです。

したがって、経営危機に瀕しての「緊急避難型整理解雇」と、積極的リストラとしての「経営戦略型解雇」とでは、後者の方が当然に解雇回避の努力は手厚くなされるべきと言えます。

なお、裁判例を分析すると、他の手段を検討せずにいきなり整理解雇の手段に出た場合には、ほとんど例外なくその解雇は無効となっています。

経営合理化のためのリストラの弱点

人員削減の措置が、黒字経営のなか経営合理化や競争力強化のための戦略として行われる場合には、「人員削減の必要性」と「解雇回避努力義務」の両方を満たすことが、いっそう難しくなります。

人員削減措置は配転・出向や、退職金上積みの希望退職募集などで実現することが求められます。

また、会社の規模によって、解雇回避努力の内容は変わってくるため、各会社の実情に応じた解雇回避努力の内容を検討する必要があります。

なお、最近の下級審判決では、解雇自由の原則を重視して整理解雇をかなり広く認める傾向も現れています。

リストラの誰に辞めてもらうか問題

リストラをせざるを得ない場合、誰にやめてもらうかは、重要なテーマになります。

整理基準の内容は、大別すると、①会社への貢献度による基準、②解雇により労働者が受ける打撃の程度による基準、③機械的な公平にする、の3つになります。

裁判例では、高齢を整理基準とすることと、パート労働者の雇止めを正社員より優先することは、合理性があるとする例が多いようです。

また、抽象的な査定評価を整理基準とする場合や、使用者の主観的判断の入り込む余地の大きい基準の場合には、解雇が無効と判断されるケースが多くなります。

懲戒解雇の有効性

懲戒解雇は、企業秩序の違反に対し、使用者によって課せられる一種の制裁罰です。

使用者が有する懲戒権の発動により行われ、普通解雇とは有効要件が異なります。

つまり、使用者は、①就業規則に懲戒事由の定めがあること、②懲戒事由に該当する事実が存在していること、③懲戒解雇をしたこと、の少なくとも3つを主張立証する必要があります。

雇止めが無効になるとき

期間の定めのある労働契約(有期労働契約)を反復更新した後に、期間満了を理由として労働契約を終了させることをいいます。

期間の定めのある労働契約の場合、その契約期間の満了による労働関係の終了は、自然退職と解され、原則として解雇とはなりません。

しかし、つぎのような場合には、雇止めは無効になります(労働契約法19条)。

1)期間の定めのない労働契約と実質的に異ならない状態にあると認められる場合

2)労働者が期間満了後の雇用の継続を期待することにつき合理性が認められる場合

判例は、つぎの7つのポイントを指摘しています。

①当該労働者の従事する仕事の種類・勤務形態・雇用期間

②業務の客観的内容(恒常的業務か臨時的業務か)

③採用時の会社の説明(継続雇用を期待させる言動の有無)

④当事者の認識

⑤反復更新の有無・回数、勤務年数

⑥契約更新時の手続きの厳格性の程度

⑦他の労働者の更新状況

中途採用者の能力不足

会社は、労働者を簡単に解雇できません。

しかし、中途採用で職種や地位を特定して採用した労働者を能力不足で解雇した場合、裁判所は契約内容次第では比較的緩やかに解雇を有効であると判断する傾向にあります。

定額残業制について

定額残業代とは、基本給や手当などに一定の割増賃金が含まれる支払方式です。

この定額残業代の制度を利用するためには、「通常の労働時間の賃金」と「割増賃金部分」が判別できるように取り決めておく必要があります。

最近は、これ以外にも定額残業代の枠を超えた残業分を、別途支払っているかも重視されます。

有名な判例として、高知県観光事件(平成6年)があり、最近でも医療法人康心会事件(平成29年)がある。

依頼に応じる義務

社会保険労務士法第20条には、「開業社会保険労務士は、正当な理由がある場合でなければ、依頼(紛争解決手続き代理業務に関するものを除く。)を拒んではならない。」と規定されています。

煩雑な手続きや困難な案件でお困りの際には、迷わずご連絡ください。ご一緒に知恵を絞って対応いたします。

パワハラ6類型

パワハラとは、「①同じ職場で働く者に対して、②職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、③業務の適正な範囲を超えて、④精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」です。

これらをできる限り客観的な基準で判断できるようにするために、厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ」では、パワハラを6つの類型に分けています。

①身体的な攻撃(暴行・傷害)

②精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)

③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)

④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)

⑤過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)

⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

パワハラ問題の分析

パワハラが疑われる注意・指導に関しては、注意・指導の①内容と、②態様に分けて分析します。

①注意・指導の内容が適正であっても、注意・指導が怒鳴り声と共になされたり、不当に長時間に及んだり、衆人環視の元でなされたり、人格を否定するような言葉とともになされる場合には、それはパワハラとなります。

②注意・指導の様態が穏やかに、職場の他の視線のない場所で適切な時間内になされたとしても、その注意・指導の内容が、問題社員の能力をはるかに超えた改善の要求であったりすればパワハラとなります。

なお、飲酒の強要(アルコールハラスメント:アルハラ)は、急性アルコール中毒による生命の危険すらある強度の高いパワハラです。

パワハラの法的責任

注意・指導がパワハラであった場合、その注意・指導を行ったものが民法上の不法行為(民法709条)に該当し、賠償責任を負う。

また、会社にも安全配慮義務違反による債務不履行責任(民法415条)や使用者責任(民法715条)が問われる。

また、民事上の責任だけではなく、暴行罪(刑法208条)、傷害罪(刑法204条)、脅迫罪(刑法222条)、名誉棄損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)、遂行不可能なことを強制すれば強要罪(刑法223条)が問われることにもなる。

※不法行為による損害賠償(民法709条)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

参考文献

お役立ち情報は、以下の文献等を参考に、すべて私、中川経営管理事務所の中川雅博が、執筆しています。

すべての文責は、執筆者である、私にあります。

岩出誠編(2006)論点・争点現代労働法.民事法研究会.583pp.

大内伸哉(2018)最新重要判例200〔労働法〕第5版.弘文堂.218pp.

河野順一(2018)特定社会保険労務士試験過去問題集―第14回(平成30年度)試験対応版.日本評論社.230pp.

菅野和夫(2017)労働法〔第11版補正版〕.弘文堂.1166pp.

土田道夫・豊川義明・和田肇(2006)ウォッチング労働法.有斐閣.395pp.

中窪裕也・野田進・和田肇(2001)労働法の世界〔第4版〕.有斐閣.391pp.

野川忍(2007)労働法.商事法務.578pp.

野川忍(2009)労働判例インデックス.商事法務.330pp.

向井蘭(2017)書式と就業規則はこう使え!.労働調査会.344pp.

山口幸雄・三代川三千代・難波孝一(2011)労働事件審理ノート〔第3版〕.判例タイムズ.224pp.

労務行政研究所編(2019)労働法全書令和2年版.労務行政.3662+48pp.

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